競走馬に関わる様々な病気の歴史などを調べていくと、
必ずたどり着く病名に「馬伝染性貧血症」というものがあります。
これは競馬界では「伝貧」と略称で呼ばれることも多い、
非常に影響力のある伝染病です。
日本国内では1978年を最後に競走馬の感染は報告はされていませんが、
1993年には宮崎県の農用馬2頭で感染が確認され、
2011年には市中の乗用馬1頭に感染があったと報告されています。
このように近年ではほとんど感染の拡大は確認されていない「伝貧」が、
今も2012日本ダービー関係者に恐れられているのには相応の理由があります。
それは過去の伝染病との戦いの歴史があるからに他なりません。
もともと伝貧はこれを発症させるウィルスが原因ですが、
拡大経路は主にアブやハエといった吸血昆虫によって広められていきます。
つまり馬の生活環境を清潔に保つことで感染のリスクは下がるのですが、
戦前・戦中から戦後間もなくまではそれも大変難しいことだったでしょう。
実際に昭和20年代で区切ってみると、
年間1万頭に近い数の競走馬が感染拡大を防ぐために殺処分とされています。
もちろんこれはどんな名馬にも避けることの出来ないものです。
当時のダービー馬クモハタやワカミドリ、
また桜花賞馬のヤシマドオターやオークス馬のヤシマミドリといった当時のクラシック馬も、
この「伝貧」の感染により殺処分されてしまった犠牲馬には含まれています。
こうした過去があるからこそ、
現代ではすべての競走馬に一定期間の中での「伝貧」感染の診断を受けることが、
義務となっているのです。
これからは全国的な動きに加え、世界的な伝染病対策が新たな姿で登場するでしょう。
-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
固定ページ
